札幌啓成高等学校同窓会 雪笹会

恩師は今・・・

第2回 大東俊郎 先生

あのころの思い出

今、私の部屋の本棚に額に入れた一枚の写真があります。これは7年前、2期生の皆さん総勢23人が、大型バスに乗り、拙宅を訪れ、庭でバーベキュウをした時のものです。笑顔の満ちたこの写真をみていると、皆さんの高校1年生当時の姿が髣髴(ほうふつ)してきて、長い月日が過ぎ去ったことを忘れさせます。
つくづく啓成の教員をしていて良かったと思います。
今年3月、北海商科大学を定年退職いました。高校38年、大学8年の46年間の教師生活でした。その中で、啓成の16年間は、私にとりまして、20代後半から40代の初めまでであり、人生の中で、最も充実していた時かもしれません。
それは、第一に、明るく元気で何事にも協力的であった生徒諸君、第二に、優れた先輩や同僚の先生方の意欲溢れる姿勢、第三に、新設校という悪条件であった「場」の混沌たる修羅場に充満していた「熱気」が、啓成という学校文化の中にいた生徒と教員に高揚感をもたらしたのかもしれません。
これを別の面から見ると、組織学習の理念の教員や生徒の学校へのポジティブ意識や行動、教員間の相互依存性、明確なビジョンなどが存在していた証左になるかもしれません。
そのころの生徒諸君は、皆さん大人で、手もかかりませんでしたので、私も現代文や古文・漢文の授業や、9年連続して持った担任や生徒指導業務、スキー部の諸君との各地での合宿や大会引率などに邁進することができましたし、また一方、教材研究に十分時間をかけたり、国語科の先生とactionresearchをして紀要に掲載したり、他校の先生方との研究組織作りに奔走していました。これらが、後年大きな資産になりました。
もっとも、回想というものは、ナラティブであり、あくまでも現在の私というフィルターを通しての解釈であります。
さて、今、世の中は、大きな激動を迎え、豊かであった時も終わりつつあるようです。されば、古人も申しております。
「往時は、追思することなかれ。追思すれば、悲愴多し。」
「来事は、あい迎うることなかれ。あい迎うれば、また惆悵(ちゅうちょう)す。」(白居易 有感)
皆さんのご健勝を祈ってやみません。

現在の私

現在、大学から頼まれた嘱託をしています。暇ができましたので、春夏は、主に庭仕事、秋冬は、薪切りや薪割りをする傍ら、かねて念願であった白楽天を読み出しました。
退職記念に白氏文集75巻を求め、Waleyの「白居易の生涯と時代」を手引きに始めましたが、Waleyの英文は私には難しいし、白居易の詩は3800首以上になりますので、いつ辿り着けるものやら、皆目見当がつきませんが、のんびりやっていこうと思っています。

» インタビュービデオ

2008.11.11